書籍案内

『万年筆談義』販売開始

     30年の時の流れを一冊の本にしました。

<目次>

まえがき                 中谷でべそ

第一章 万年筆談話室開設記念特別対談   森   睦

                     古山浩一

                     中谷でべそ

第二章 古山浩一の東奔西走万年筆談義   古山浩一

      頑固職人 森山物語り

      ラストルム大改造ペン

      モンパルナス万年筆

      デザインされたペン

      中屋のロング軸

      アートな万年筆

      パイロット823 究極の万年筆セット

      久保さんのオーケストラ

      旅の万年筆

      ふでDEまんねん今昔

      ダイヤのママの思い出

      長原宣義 竹万年筆

      石川金ペン

      万年筆セーターの話

第三章 でべそのほにゃらか万年筆談義   中谷でべそ

      モンブラン 252

      モンブラン 256

      モンブラン L139

      モンブラン 84

      50年代のモンブラン 146BB

      50年代のモンブラン 146EF

      モンブラン 14

      モンブラン 1266

      モンブラン 1468

      モンブラン 644

      モンブラン 30

      モンブラン 216

      モンブラン 226

      エバーシャープ

      アウロラ ダンテ

      アウロラ88のオリジナル

      ペリカン 400復刻版

      ペリカン 400オリジナル(その一)

      ペリカン 400オリジナル(その二)

      ペリカン トレド

      ペリカン オリジナルトレド

      ペリカン 1931 トレド

      カラーインク

第四章 中谷でべそのほにゃらか人生談義   

      萬年筆くらぶ

      シェーファー ノンナンセンス  

      ふでDEまんねん(その1)

      ふでDEまんねん(その2)

      プラチナ 3776 ギャザード

      田中晴美50周年記念

      シェーファー ライフタイム

      大橋堂 赤とんぼ

      冨樫さんのトレド

      万年筆職人 久保幸平さん

あとがき                 中谷でべそ

       『万年筆談義』まえがき              

                                中谷 でべそ

 そこに行けば万年筆の情報を豊富に得ることができる。万年筆談義をすることができる。万年筆関連の企画を立てることもできる。ミニ学習会や教室を開くこともできる。そこには修練を重ねた職人がいて、時間をかけて修理やペン先調整をしてくれる。クライアントが納得できるまで職人は付き合ってくれる。

 自由度が高い。技術力が高い。大人の遊びの場として究極のもの。

 このような理想的な空間を多くの人が長いこと望んでいた。しかし、これらの条件を全て満たすことなど考えられないことだった。場所はどうする。誰がやる。資金はどうする。一瞬にして理想と現実の差の大きさを理解し、無謀な夢だと諦めるしかない。そのようなことは実現不可能だと誰もが思った。

 しかし、諦めなかった男がこの地球上に一人いた。しかも日本に。それがWAGNER主宰者の森睦さんだ。彼は約30年間、万年筆の修理とペン先調整の修練を重ね、万年筆に関する情報を収集・整理をし、万年筆関連の人脈をつくり、万年筆談義が可能な空間を追求し続けた。そして、ついに2018年8月、その夢のような空間「万年筆談話室」を作り上げた。

 なぜ森睦さんはそのような空間を立ち上げようと思ったのか。なぜ、それを実現することができたのか。そもそも森睦さんとはどのような人物なのか。私は、森さんとは長い付き合いになるが、森さんの行動力に圧倒されっぱなしである。

 画家・古山浩一さんの2011年のブログにこのようなことが書かれている。

 「一昔半前、森さんとでべそちゃんと私の3人で万年筆の殿戦をどう戦うかという話になった。でべそちゃんは萬年筆くらぶと『フエンテ』。私は職人の記録保存。森さんは日本で本格的な、万年筆の売り買いや交換ができるペントレーディングを立ち上げた。さらに万年筆研究会WAGNERを2005年12月17日に設立。万年筆の啓蒙、記録を推し進めた」

 過去の記録を遡ってみると、「2000年12月26日のフエンテの忘年会の与太話でPen Collectors of Japanの立ち上げが決定」とある。このような記憶も遠いものになりつつある。

 1990年前後の日本では万年筆店が次々と閉店し、文房具店での万年筆売り場は縮小されていった。

 鳥取の万年筆博士の山本雅明さんから、

「私は万年筆の殿戦を闘って店を閉めます」と言われた。

 精一杯やった結果としての決意。あれは胸にじいーんときた。心に沁みた。世の中の大きな変化には、誰も抗うことはできないのか。

 そのような時期、まだ40歳過ぎだった森・古山・中谷の3人は、万年筆業界の人間でもなんでもないのに、いま自分たちにできることは何なのかと酒を飲みながら語り合った。万年筆が酒の肴であった。

 古山さんという人は酒が入るとやたらと理想と現実の距離が縮まる。そして責任論が出てくる。

「理想を実現していくことが人生であり、理想を実現しないということは責任を果たしていないことだ」

 と断ずる。

「自分の人生に責任を持たなくちゃいけないんだよ」

 と話し相手に迫る。古山さんの頭の中には、芸術の世界で生きている自分の姿があり、常に理想を求めている自分があり、追究しているテーマがあるからだろう。そして、

「人生に責任がもてないなら生きている意味はない」

 と言い切る。

「何のために生きているんだ? 自分の責任を果たすためだろう!」

 と言い放つ。そして、責任を果たさない人間を、

「許せない!」

 と断裁する。

 このような議論(?)を、夜を徹して何度やったことか。

 あの頃は、今日のようにネットが充実している時代ではなかった。点に過ぎない3人が、ただひたすら自分ができることをやり続けていたら、多くのドラマが生まれ、なんと20数年が経ってしまった。

 ここらでちょっと立ち止まって、ゆっくりと万年筆の話をしたくなった。

 私たちにしか書けない殿戦の一場面とも言えるものもあるかと思う。

 そのような思い出話を経て現在を見るとき、森さんがオープンした「万年筆談話室」の真価が見えてくるかもしれない。古山さんの言葉を借りれば、理想を追求して責任を果たしたということだ。もっとも、森さん自身にはそのような自覚はないであろうが。

 過去があり現在があり未来がある。これらの橋渡しの役割を、この書籍が果たしてくれれば幸いである。


『鞄談義3』販売

< 目次 >

 第一章  エースの「世界のカバン博物館」             

  館長 廣崎秀範の推す鞄                       

  鞄職人 藤井幸弘が魅せられ続けた鞄                 

  鞄職人 小松直幸が心を惹かれた鞄

  画家 古山浩一が驚き感動した鞄                     

  萬年筆くらぶ会長

   中谷でべそが足を止めた鞄                    

  鞄の博物館

  エース株式会社の歴史                               

第二章  剣先太郎の迷妄鞄談義            

  第一話 鞄はマイナーである?               

  第二話 迷妄ついでに 人工知能              

  第三話 迷妄の続き                    

  第四話 朝日新聞が『吾輩ハ猫デアル』の

      再連載を始めた

第三章  古山浩一の東奔西走鞄よもやま話       

  ハルピンのワードローブ                  

  三越呉服店の口金バッグ                  

  パリのバッグ2体                     

  MH-WAY 蓮池槇朗のバッグ                

  フンデルトワッサーのバッグ                 

  マルタのバッグ                       

  ロエベのアタッシュケース                  

  O-bag                           

  屋台のバッグ                        

  リサイクルバッグの未来                   

第四章  それぞれの鞄談義                     

  師              藤井 幸弘

  GHURKA No.2 Expressの修理でトホホ

   ゴミ箱をさえ漁りたかった  杉山 明信          

  デイパック その一

   ベルルッティのリュックサック・オリゾン

                 鈴木 健嗣 

  デイパック その二

   クロコダイルのデイパックBY TAKUYA

                 鈴木 健嗣 

  デイパック その三

   ロエベのアントン・バックパック

                 鈴木 健嗣

第五章  でべそのほにゃらか鞄談義

  ドアの前にて 1                     

  ドアの前にて 2                     

  ドアの前にて 3                     

  ポルトガルへの旅 リスボンでの思索            

  ポルトガルへの旅 リスボンのバッグ            

  ポルトガルへの旅 古都コインブラで

           見たバッグ

  ポルトガルへの旅 サウダーデと鞄             

  バルセロナのバッグ                    

  ミハスのバッグ                      

  CAFE・鈴木のマスターのバッグ                             

『鞄談義2』

< 目次 >

小林工房記

小林哲夫のバッグ

トラのあるショルダーバッグ

靴になり損ねた鞄

フェルマー出版社のこと

鞄について

フォシールバッグ フラップポケット考

襤褸布のトートバッグの美学

FURLAのミニトート

大陸横断鉄道のバッグ

ロイドフットウェアーのバッグ1

ロイドフットウェアーのバッグ2

イタリアのバッグ

ベルルッティのブリーフケース

TAKUYAの縦長ブリーフケース

特製フィッシング・バッグ

GHURKA No.112 レントゲンフィルムが入る鞄

棒屋根鞄礼讃 密閉タイプの鞄が好きだ

僕の鞄 二匹の子鰐

日本の鞄業界と猪瀬さんが作る鞄

神戸の若き独立系鞄職人たち

「バゲラ」高田夫妻のオーダーバッグ

夢をカタチにしたいと願う「ベラゴ」牛尾君

「カンダミサコ」の感性

トラファルガーのバッグ

五十音のブレイブブラウンバッグ

トレドのバッグ(一)~(五)

「カバン」の言葉の起源を探る

『鞄談義2』  2015年8月31日 第1版第1刷発行

まえがきより

 音楽を聴いた瞬間、その曲が流行っていた頃の記憶が鮮明に思い出されることがある。その頃の空気のようなものまでが心の中で再現される。私の場合、それは何故か、ほろ苦い思い出であることが多い。

 鞄にもそういう一面がある。部屋の片隅に置かれている鞄を見るとき、または鞄に触れるとき、その鞄をメインで使っていた頃の記憶が甦る。私の場合、それは何故か、ほろ苦いながらも人生のプラスになったことの思い出であることが多い。

 その当時、自分がどのような夢や希望や理想を持って生きていたのか、どのようなことに問題意識を持って取り組んでいたのか、どのような人達を仲間に持ち、何を語り合っていたのかが思い出される。失敗した経験は必ず次のステップに繋がっていたことを再認識する。そして、そのような世間話を少しばかり語ってもいいかなという気持ちになる。

 そこが音楽とは異なる。

(中略)

 いかがですか。鞄談義という世間話をしませんか。過去を振り返るためではなく、今を生き、未来を生きるために。

【執筆者】

剣先太郎

杉山明信(茗溪学園副校長)

太田垣博嗣(Japanbag.com主宰者)

鈴木健嗣(ウェルスマネージャー)

神津正男

古山浩一(画家)

ボンジョルノ松本(ル・ボナー店主 革職人)

中谷でべそ(萬年筆くらぶ会長)


『鞄談義』

< 目次 >

イタリア写真紀行 鞄談義によせて

GOくん制作の懐中時計バッグ

銀座 クレマチスの鞄と靴

フィレンツェのバッグ

成川さんの鞄

モノ語り

一つ目のFugee鞄

二つ目のFugee鞄

ダンディズム

出張前に鞄談義

ライムグリーンのパパス・ショルダーバッグ

独立系鞄職人の多くは貧乏だ

剣先君の鞄談義

剣先君の鞄談義 閑話

コーチ グローブレザー偏愛主義

鞄談義・ルイヴィトン

親友のバッグ

鞄の履歴

鞄の履歴 子どもリュック

ヴァンゴッホのバッグ

野宿用のばっぐ

ジーンズバッグ雑感

ドゥーニーアンドバッグ

ル・ボナー物語 前編

ル・ボナー物語 後編

懐中時計鞄

クレマチス 小松君

クレマチスの靴




『鞄談義』  2012年12月23日 第1版第1刷発行

まえがきより

 私は、素敵な鞄を持って歩いている人を見ると声を掛けたくなる。それが、長年愛用しているらしく、光沢が出ていたり擦り切れていたりする鞄であったりすると堪らない。更に、持ち主と鞄が醸し出す雰囲気がよく、かつ体よく使いこなしている姿だったりすると、男女・年齢に関係なく、うっとりとしてしまう。「その鞄、いいですね」「どこの鞄ですか」「何年くらいお使いですか」「鞄の中はどうなっているのですか」「どんなものを入れておられるのですか」。こんな質問をして語り合いたくなる。つまり、鞄談義である。

 そして、この人はどのような人生を歩んできた人なのだろうということまで興味が湧いてくる。持ち主の人生観なり社会的ポジションを勝手に想像してしまったりする。人生は一筋縄ではいかない。いろいろと紆余曲折がある。人は悩みながらも生き抜いていく。喜びや感動も多い。そんな生き様をも想起させるような鞄を目撃したときは、食事にでも誘いたくなる。

 しかし、声をかけたことは一度もない。

(中略)

 この鞄談義シリーズでは、文字通り、鞄の話題に限らず鞄を超えたものに触れることができるのではないかと思っている。かなり脱線もあるかもしれない。何しろ、自由人ばかりが集合した。それぞれが一家言ありそうな人ばかりである。御容赦をお願いしたい。

「その鞄、いいですね」

「鞄の話、聞かせてもらえませんか」

さあ、鞄談義の始まりである。

【執筆者】

剣先太郎

杉山明信(茗溪学園副校長)

鈴木健嗣(ウェルスマネージャー)

武部健也(大和出版印刷株式会社社長)

中谷でべそ(萬年筆くらぶ会長)

古山浩一(画家)

ボンジョルノ松本(ル・ボナー店主 革職人)